大晦日、実家に帰ったはいいものの、暇すぎて一人でレイトショー。
ディレクターズカット版的な『この世界の片隅に』を鑑賞。
もともと戦争映画には興味ないんですが、
これは好き。
基本短編集的なコメディなんですよね。
めっちゃ笑えますし、すずさん可愛い。
のほほんとした日常を描いているシーンが大半なんです。
戦争の悲惨さとか怖さとか、押し付けてこないのでストレスなく見れます。
でも、そののほほんとした日常の後ろで、
戦闘機の音や、万歳や、いろいろおかしなことになってます。
そして、それを『日常』として当たり前のように受け入れている登場人物たちも、やはり恐ろしい。
そしてやって来る『あの日』。
戦闘機の煙や、海、左手で描いた絵など、
アニメならではの表現が素晴らしい。
戦争が終わったことを、各家庭の湯気や明かりで『良かったこと』として描くシーンにはもちろん感動するが、
これだけ理不尽な思いをして、それでも負けたことに対する悔しさややるせなさを表現したシーンが、個人的には新しくて印象に残っている。
『最後まで戦うんじゃないのか。ここに5人残ってる。左手も両足も残ってる。』ってね。
さらにパンフや解説によると
時代考証を超綿密にやっているらしい。
加えて、動きをなめらかにするために、作画の枚数を増やしてるとか。
そういう努力によって『すずさん』に現実味が増すんですよね。
本当に、この世界の片隅に、すずさんが生きているかのよう。
ディレクターズカット版としては、主にリンさんのパートが増えてました。
でもそこは通常版でも何となく察せるレベルだったので、
個人的には同級生と、あと口紅の由来が見れたことがよかったかな。
あれ、原作だと全部初めから描かれてたんですかね?どうなんでしょ?
さっき、『異常を日常と受け入れてしまっているのが怖い』と言いましたが
『異常な日常の中でも、笑いがあり、きちんと、力強く生きている』とも捉えられるんですよね。
居場所はそう無くなりはしない。
何でも使って生きていく。
泣いてばかりじゃ塩分がもったいない。
笑いの受け皿になって生きていける強さに感動しました。