鰯

マガディーラ 勇者転生の鰯のレビュー・感想・評価

マガディーラ 勇者転生(2009年製作の映画)
3.7
バーフバリよりコミカルに

「バーフバリ」の原点といっても、監督が同じだけでは物語は違うだろうと思っていたら、いい意味で同じような話。愛のための転生、王座と女性をめぐる激しい争い、敵役の狡猾さ、などなど。それでいて、コメディ的な演出はバーフバリの上を行っているように思います。
冒頭のMVさながらのダンスシーン、からのダンスバトルは、「ああ、私は今インド映画を見ている」という素晴らしい出来栄え。しかも特殊効果の使い方が妙に古臭くて逆にたまりません。エンディングもかなり好き。
ハルシャの友人スニールのコミカルな演技を中心に、現代パートの恋模様はベタなラブコメっぽい。400年前との関係が明確になるまでは、「私何を見に来たんだっけ」と思うほど。あっと驚く転生もあり(あの人、本筋の男女関係には踏み入ってないのに何故転生したのだろう...)
だけど、前世パートは本気で姫を奪い合う2人の血みどろの闘いに。こうなると、ハルシャの前世バイラヴァには惚れまくり。慈悲深く、恵まれた生まれでない点は、バーフバリにも引き継がれている要素かと思います

宗教的儀式や絵画を使った色彩豊か演出はとっても綺麗だし、終盤にはきちんと前世と現代を繋げる物語もおもしろい。それでも、バーフバリやマッキーのような敵役の魅力が薄くて少し残念。一貫して悪いやつだしいまいちカリスマ性もない。そして笑えるシーンもなければ、同情に値する人間らしさもない。なので、対決というよりもただの乗り越えるべき壁のような存在に思えました。
あと、現代パートの屋内シーンは異様に見づらかったです。カメラのこととかなんにも知りませんが、全体的に焦点があっていないというか...

あらすじ
現代のハイダラーバード。バイクレーサーのハルシャがバス停にいたある女性の指に触れた瞬間、ハルシャの脳裏には古い過去の記憶が過る。400年前に栄えたウガイダル王国。そこで伝説的戦士バイラヴァとミトラ姫は深く愛し合っていたが、軍司令官ラナデーブの裏切りによって、命を落としていた。バイラヴァの生まれ変わりであるハルシャは、400年前の因縁を乗り越えて真実の愛にたどり着くことができるのか。
鰯