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フロンティアのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

フロンティア(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ロシアが舞台。ビジネスマンの主人公は、工事現場での事故をきっかけに第二次世界大戦の時代にタイムスリップしてしまう。過去と現代を行き来する中で彼は工事現場に遺された戦中の遺品の謎を少しずつ知ることになる。タイムスリップ現象はやがて、主人公自身の出生の秘密をも解き明かしていき…という話。

最近、ロシアSF映画を観ることが多いのだが、大抵主人公が不思議な現象に巻き込まれつつ話の仕組みがあいまいなまま淡々と進むことが多いため、観ている間はいつもモヤモヤとした気分になってしまう。先が読めないけれど、その先にある謎や真相に興味がわくような構成になっていないので、設定は面白いのに満足度はいつも微妙。話の構造が分かってからはそこそこ楽しめるのだが。
本作もクライムサスペンスか、ヒロイン?と危機を乗り越えつつラブストーリーに移行する話のような先入観を持って観ていたが、蓋を開けてみると主人公の出自を探る作品だった。CG技術はややショボいのだが、防空壕の狭い空間で爆撃にさらされるシーンなどは逃げまどう兵士の緊迫感が伝わってくるようで手に汗握った。難点はSF設定範囲が明確に定っていないので、主人公が過去の人間に見えたり見えなかったりする基準や、過去で傷を負ったら死ぬのか死なないのかなどの線引きが分からなくて困ってしまった。もちろんなんとなくは分かるけれど。
大円団みたいに終わってるけど、あんまり主人公の現代でのトラブルは解決できてないように思えるけど…
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