フェミ研ゼミ

ハンナ・ギャズビーのナネットのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

5.0
なんて有意義な1時間だよ!!
この1時間を楽しめない人っていないと思う。
これはNeo道徳の授業
政治家のオヤジたちは彼女に言葉を習うべきだ。

スタンダップコメディを初めて鑑賞したと思う。
自虐ネタで面白おかしく話を展開していくんだが、関係ないように感じるネタ話たちの広げ方伏線の張り方に、
それをちゃんと大きく育てて収穫していく過程がとてもスマートでとても愉快で、頭の良さを感じまくって面白い人って本当に頭いいんだな…!!と震えた。
そんな感動とは全く別の着地地点に1時間後いた。

自分がなぜレズビアンであることを自虐し笑いに変えなければならないのか。
スタートから2/3までは本当にブラック過ぎないしかししっかりと刺さるべき相手のに刺さるジョークの連発に
これこそがスタンダップコメディとはこれかと。
彼女が撒いた話の伏線回収と共に彼女の怒りと悲しみの告白へに繋がる。
正しい怒りだった。
そして、正しい怒りの表現だった。
その正しい怒りの告白の結末には、
ただ怒りは何も生まないこと、
笑いは正義の薬ではないことキチンと理解し易い言葉でスマートに伝えてくれた。

沢山傷ついて、狂うこともできただろう辛い人生だった。
その体験をこの痛みをいかに易しく高い浸透力で伝えられるか苦痛を伴いながら熟考した結果、彼女の言葉に命が宿っていたな。
めちゃくちゃにかっこいい。

言葉には魂が宿るってまじだな。
ただ口から発せられる音の連なりに感情や経験を乗せられるなんてすげえよ。
まじで政治家のオヤジたちは彼女に言葉を習うべきだ。
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