deenity

mid90s ミッドナインティーズのdeenityのレビュー・感想・評価

3.2
メリークリスマス!…も過ぎてしまいましたが、今では子どものためにクリスマスを過ごすような大人になってしまった自分がものすごく童心を思い出してしまうような作品でした。

まず先に本作の魅力を端的に言うとすれば、どのキャラクターも周りにいたんじゃないかと思うほど懐かしさすら覚えるキャラクター像ですね。レイのような憧れの存在だったり、ファックシットのようにすごいんだけど何か違ったり、ルーベンみたいに自分が除け者にされてるように感じて羨む人もいれば、兄のように本当はそこまでなのにイキってしまう人もいる。
どれも自分の人生において出会ったことのある人物で、その辺りの人間描写が見事だなと思いました。

また、音の使い方も絶妙でしたね。なんかあの若かった頃のいけないことをしているハラハラする感情を音にされてるみたいで緊張感を覚えました。

ただ、本作がブッ刺さらなかったのは恐らくそういう連中と関わることを自分は避けた人間だから。
思い返すとあったんですよね。ちょっと関わるとろくでもないことがありそうな先輩グループと仲良くしてることが。本作で言えば薬や女や酒っていう行き過ぎた物ではなくて、ボードで穴を飛び越える的なちょっと危険な度胸試しとかはあった気がするんですよね。
別に自分に対していじめたりはしなかったですし、仲良く扱ってはくれていたのですが、なんか遊び方とか他の人への接し方が自分は罪悪感みたいなものを感じてしまって。
単純に門限を過ぎて帰って怒られるとかもありましたし、自転車の危険な乗り方の練習をしたり、ロケット花火合戦をしたこともありました。

だから結果的に自分は抜けていきましたし、そういう意味でこういう連中の雰囲気はよくわかりましたが、相性的な話で刺さりはしなかったって感じですかね。
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