つぐみ

mid90s ミッドナインティーズのつぐみのレビュー・感想・評価

4.2
90年代にティーンだった身として割と色んなカルチャーに影響を受けて来たけど、縁が無かったのがスケボー、サーフィン、ゲームの3つだな〜とぼんやり考えていました。

ジョナ・ヒルのことただのオモシロ俳優として見ていたけどすごく才能ある人なんだな。ホモソーシャルとか男同士のつまらない小競り合いや牽制が綿密で良かったです。
つるんでイキって、煙草やお酒や更にはドラッグまでって親目線ではいい迷惑でしかないけど、年上の男子ママが「寄り道しないで帰って来なさいよって口では言うけど嘘。たくさん寄り道しなきゃ成長しないよね」って言ってたのを思い出した、至言だ。

いつも言ってるけど、子どもでも大人でもない端境期の男児を見る度に「旬」ってこのためにある言葉だと思う。
スチールでは「シャイニング」のダニーぽいサニー・スリッチくん、そんなおぼこい見た目で年上のお姉さんに筆下ろしなんて…と思ったけど意外にも実年齢15歳ならまあいいのか。しかもあのお姉さん、WAVESのギャルちゃんじゃないの!ルーカスくんも出てるし音楽はトレント&アッティカス・ロスだしジェネリックWAVESじゃん!ジェネリックじゃないけど。

ビーバス&バッドヘッドとか、当時ヒップだったブランドがPOLOとかなのが微笑ましいし、ヒップホップ系メインかと思えばオルタナ枠ではやっぱピクシーズなんだな(Nirvanaもかかったけど、こういうときPJやソニックユースではなく絶対ピクシーズが一番ハマる)。

あとずっと気になってたのがファックシットのキャラクターってどこかザック・デ・ラ・ロチャを意識してるのだろうか(サイプレスヒルのTシャツも着てたしね)。
やんちゃしてるように見えて実は裕福って設定とか可愛らしい顔の造作もザック先生ぽかった。

あれから彼らはどうなっていくのかな。最後のムービー、ちょっとジーンとしたんだけど、ファーサイドの陽気なトラックからエンドロールでトレント節全開のドゥームなピアノソロで落差激しすぎでびっくらこいた。

90年代ってだけでかなり加点しちゃうので高得点だけど「たちあがれ、何度でも」っていう映画本編見なくても思いつきそうなコピーは全然良くないね。
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