ねーね

mid90s ミッドナインティーズのねーねのレビュー・感想・評価

4.0
90年代を育ってきた人間にはたまんないなぁ、このざらついたフィルムカメラが切り取る90年代LAの照り付ける太陽とスケートボードが織りなすエモーショナル…
知らない音楽、汚いコトバ、酒、タバコ、女の子、危険な遊び、門限過ぎて語り合う夜、友達との喧嘩、はじめてのことばかりで世界が輝いてみえてたあの頃…
もう取り戻せない気持ちたちを、当時のストリートカルチャーとオールドスクールなラップミュージックでぎゅんぎゅんに圧縮してビデオに詰め込んだらこうなるのかな。
おしゃれって言葉じゃ言い表せないような、いい意味でA24らしさたっぷりの青春良作。

親を怒らせるだろうなんて知ってても、『ワル』っぽいことして背伸びしたくなっちゃう反抗期のフクザツな子供心。
親目線でも観れるようになっちゃった私でも、まだちゃんと覚えてるよ。
お母さんにはぜったいわかんない友達との絆や秘密の遊びだけど、みんな僕の窮屈なツラさを理解してくれる大事な存在なんだ、って。
友達同士嫉妬や喧嘩もする、嫌いになりたいときだってあるけど、やっぱり愛すべき仲間であることに変わりはない。
家族も同じ。
自由を縛ってくる親や兄弟は大嫌い。
でもいざというとき支えてくれるのも家族だし、思ってるより子供の気持ち考えてくれてるんだよってこと、気づいて子供は成長する。
そんなだれもが通る思春期の大人気ない気持ちをそっと優しく包み込むようなラストに、アラサーのわたしは泣きました。

しかしまあ、ルーカス・ヘッジズは本当すれた役やらせたら天才だね。
でもそれ以上に主人公のサニーくんが名演すぎる!今後に期待。
ああ、90年代の青春をロサンゼルスで過ごす人生でありたかった…

個人的にいちばんぐっときたのは、お兄ちゃんの部屋でCDのタイトルをメモするシーン笑
あれはね、エモですよ…(語彙力)
ねーね

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