ジャッキーケン

mid90s ミッドナインティーズのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.6
Fuck shit

ジョナヒルの少年時代から着想を得て描かれるこの映画は90年代半ばのポップカルチャー、少年の成長、年上の兄貴たちとの熱く儚い日常にほんのり涙する熱い90年代ジュブナイル!

ジョナヒルの監督センスが最高すぎて痺れる
兄貴の容赦ないマウントパンチを浴びるサンバーン、兄貴の部屋に入っては私物に触れては兄貴をリスペクトしようとする、スケボーを手に持ち飛び出してはスケボースキルの高い年上の人たちを見て憧れる、年上の兄貴たちに可愛がられ仲間として認められていくサンバーン

プロのスケーターを目指すレイ
パーティを求めて酒と女がいれば人生極楽なファックシット(おれの激推し)
少し年上のルーベン
物静かな映画監督志望のフォースグレード
こいつらとつるむ何気ない不良ロードな日常がまだ幼いサンバーンを大人に成長させる、タバコを吸い、酒を飲み、年上の女の子とエッチな初体験をする。スケボーをしてはバカをするソウルブラザーとの掛け替えの無い毎日を見ているだけで何故だか涙が溢れて来る

俺も地元であんな感じの年上の友達とつるんでは道端に落ちてるエロ本で性に目覚めたり、イタズラしては近所のおばさんおじさんに怒られるあの日のことを思い出したな。

サンバーンがルーベンと殴り合いの喧嘩をして仲裁に入る兄貴、その兄貴が優しく寄り添うところとかモロにおれも経験したあの時と見事にリンクして涙が止まらない
あの日に戻りたいと思いつつももう戻れないという切なさ、この映画の中に生きるあいつらもいずれはこの日常から離れていくと思うと儚いまるで「スタンドバイミー」だった

スケボーでプロを目指すレイと能天気なファックシットが微かに離れていきそうになりすれ違いが生じていくところなんかもリアル、始まりこそ一緒だけど目指す場所が違うからぶつかり合っていくところもグッときたし自分とは違う世界に行ってしまうというところがどこか「セッション」のニーマンと父親のドア越しに感じるあの時を雰囲気で感じさせる

ある事が起きて入院してしまうサンバーン、両親からはそんな不良と付き合うなと言われたがいつでも寄り添ったのは家族ではなくスケボーブラザーのあいつらだったんだ、そんな奴らに心を開いていくキャサリーンウォーターストンも最高だった。
そこからのフォースグレードが見せる映画が「ニューシネマパラダイス」チック!

俺たちはこれから別々の道を歩みもう今までのような毎日は送れないだろうがこの映画が俺たちを永遠にさせるんだ!