はまたに

mid90s ミッドナインティーズのはまたにのレビュー・感想・評価

4.2
若さが勝手に燃えている。そんな輝きに持ってかれる映画。

兄貴から影響を受けたカルチャーのど真ん中にいて、CDのアーティストよりも遥かに近い距離にいたのがヤンチャボーダーの兄ちゃんたち。家庭からの逃避というより、純粋な憧れからの仲間入り、というところが不必要に重くなりすぎない要因かも。

個人的には「ここで飛べばアイツを抜かしてオイラが戦士!」と成否を全く考えずやっちゃう13歳の無謀好き。「俺は一生気ままにボードやっていたい」「将来のことは何も考えていない」なファックシットが次第に壊れていくのにもなぜだか共感。そして、プロボーダーに最も近い青年レイが全方位にカッコよすぎ。そりゃスティービーくんも憧れるわ。

まあ、物語の何がこう、心理描写のどこがどう、というのがうまく言葉にできないし、自分が生きた90年代のカルチャーともよっぽど違うんだけど(UKロックとかUSインディとかだからな)、なんかその痛みや空気感がじわじわと愛おしくなる作品でした。

無関係だけど、なんとなく奥田民生の「息子」を思い出しちゃったので、コートハウスのボーダーたちよろしくジャ〇ラックさんに追われない限り貼り付けたろうと思います。

 ほうら 目の前は紺碧の青い空だ
 翼などないけれど 進め

 そうだ あこがれや 欲望や 言いのがれや
 恋人や 友達や 別れや

 台風や 裏切りや 唇や できごころや
 ワイセツや ぼろもうけの罠や
はまたに

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