ノラネコの呑んで観るシネマ

オーヴァーロードのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

オーヴァーロード(2018年製作の映画)
4.2
こりゃ珍品だ。
ノルマンディー上陸作戦直前、ドイツ軍電波塔の破壊を命じられた空挺部隊の話。
実は電波塔地下には秘密の研究所があって、村人を実験台にして何かを作ってる。
なんとなく「ザ・キープ」的なものを想像してたんだが、かなり意外な方向性の作品だ。
確かに描写はグロいし、モンスター要素もあるにはあるが、戦争8割:SFホラー2割くらいで、ガッツリ戦争映画だった。
宣伝ではプロデューサーのJ・Jの名前しか出てこないけど、監督は「ガンズ&ゴールド」のジュリアス・エイブリーじゃん。
そりゃ一筋縄ではいかない訳だ。
設定だけみると「武器人間」みたいだし、ナチス版「キャプテン・アメリカ」と言えなくも無いけど、ぶっちゃけこれ、そっちの要素がなくても成立する。
SFホラー設定を商業的フックにした、「ナバロンの要塞」の様な潜入型戦争映画で、似た作品が思い浮かばず、なかなか楽しめた。
しかし1944年の段階で、101空挺師団に白人と黒人の混成部隊があったとは思えないのだが、この辺りは史実よりポリコレということか。
ところで「プライベート・ライアン」も、上陸の前日に降下した101空挺師団の兵士を救出する話だったけど、設定一致はオマージュなのかな。
あと身もふたもないけど、空から攻撃した方が早くね?とちょっと思った。
あのぐらい華奢な塔なら、戦闘機からのロケット弾攻撃でも壊せそう。
「周りに強固な高射砲陣地があって、近づけない」くらいの台詞フォローがあっても良かったんでは。