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オーヴァーロードのTSのレビュー・感想・評価

オーヴァーロード(2018年製作の映画)
4.0
【戦争映画×ホラー映画】84点
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監督:ジュリア・エイブリー
製作国:アメリカ
ジャンル:ホラー・戦争
収録時間:110分
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2019年劇場鑑賞29本目。
戦争映画とホラー映画を絶妙に融合させた良作だと思います。ここ10日程忙しくて映画館に行けてなく、とりあえず早く上がれたし一本見るかと思い、いわば消化試合で見たような映画が良作だった時は頗る気分が良いです。戦争映画、ホラー映画、両ジャンルの緊迫感をうまいこと引き出しているため最後まで飽きさせない。後半はB級と言えばそうなのですが、間延びせずシンプルに、しかし爽快にグロシーンを導入してくるのですから素晴らしい。思わぬ掘り出し物であると思われます。

時は第二次世界大戦。ボイス二等兵はノルマンディー上陸作戦を支援するため、空挺作戦に参加する。パラシュートで降下するのだがそれだけでも命取りであり。。

見ていて「これは空中版『プライベートライアン』だな」と思っていたら、後から調べてみると複数の人が同じことを言っていました。序盤の地上に降りるまでのシークエンスの緊張さといったらたまったものではない。どれくらいの覚悟があればこんな場所にいくことができようか。滝のように吐き出される嘔吐物、降下しようとしてるのに響き渡るマシンガンの音。この世はまさに地獄であり、いっそのこと早く死んだ方がマシと思えるくらい。このあたりから中々とんでもない映画なのではと思わされてしまいます。

注意してほしいのは、今作はガチガチの戦争映画ではないということです。序盤の緊迫感から、『ハクソー・リッジ』や『ダンケルク』のようなガチ戦争映画を期待して後半に進むと拍子抜けしてしまう可能性があります。後半はいわばフィクションであり、ナチスのこんな都市伝説も確かにあってもおかしくないよね?というくらいの気持ちで見ていかないとダメでしょう。後半の展開を受容できたのならば今作は良作認定でありましょう。

拷問シーンもあるし頭が吹き飛ぶシーンもあるので中々きつめ。また、ホラー独特の緊迫感をこの監督は十分理解して作っているためまた良い。ここで出てくるとわかっても圧倒的な音量で本能的にびっくりしてしまいます。登場人物たちの動きにも無駄はあまりありません。強いて言えば子どものポールが鈍臭い動きをするくらいですがそこはまあ子どもなので仕方ない。歴史を改変しているので気にくわない鑑賞者もいるかもしれませんが、そんなもの吹っ飛ぶくらい面白くできてる作品であります。

個人的には手榴弾のあのシーンがお気に入り。あれは正直えぐすぎる。あんな恐ろしいことよく考えるなと。主人公サイドの行いとはいえあれは恐怖の塊。されてる人の立場から考えると身の毛もよだちますよ笑 このシーンは恐らく見た人のほとんどが印象に残るシーンだと思います。
ホラー映画と戦争映画、そのどちらかが好物な人からすると好印象かもしれません。良いところをつまみ食いしている感じは否めませんが、こういう珍作があってもよろしいかと思います。オススメです。
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