三樹夫

オーヴァーロードの三樹夫のレビュー・感想・評価

オーヴァーロード(2018年製作の映画)
3.9
ナチスがフランスの教会にぶっ建てた電波塔の爆破任務で、いざ現地に行ってみれば、ナチスが不死のゾンビソルジャーを生み出すべく地下で人体実験を行っていたという、ナチス+ゾンビの悪魔合体映画。ナチス、ゾンビと聞いて、光に誘われる蛾のごとき俺みたいな人間を裏切りはしないR15のゲログチャも楽しめる。
まず地上からの砲撃で、下から弾丸が突き抜けまくるというアガる始まりを見せる。何とか無事に降下した主人公は、生き残った仲間数名と目的地の村に辿り着く。予告の時点でナチが人体実験で化け物を生み出そうとしているのは分かるし、作中でもナチの連中がなんか得体のしれん実験をやっているというのがプンプン漂っているけど、この映画の目玉かつ一番面白いナチの人体実験社会見学パートまで1時間ぐらいと結構長いこと焦らしてる。
人体実験巡りパートに突入してからは俺にとってのUSJというか、頭だけ女や腹にぶっとい管ぶっ刺された仲間など、とにかく楽しい。人体実験巡りが終わってからどうするのかと思ってたら、ゾンビナチ将校がこの映画のテンションを引っ張っている。つーかこの映画の登場人物は注射をホイホイ使い過ぎ。もはや反動があるけど能力が高まるぐらいの感覚で、界王拳みたいな使い方をしているが、この映画には無茶苦茶な行動原理がしっくりくる。銃弾も、特に音で、一発一発が重いように演出していて良い。

この映画は主人公が問題で、一から十まですべて悪い奴というわけじゃないが、6勝15敗のピッチャーみたいな奴。一番のやらかしっぷりで、悪気はなく相手のためを思ってとはいえ、結果的にすんごい酷いことをした。ガキがさらわれたのも原因をたどれば正直主人公のせいだし。
潜入した先でナチが人体実験により化け物を生み出していたというのは『武器人間』があるが、クリーチャーデザインは、ゾンビナチ将校の顔とか面白いけど、『武器人間』には劣るか。
三樹夫

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