このレビューはネタバレを含みます
WW1直前のブダペストの退廃的な雰囲気がわかる二時間。世界史的にかなり興味深かった。
その後、WW1のきっかけとなるサラエボの銃弾のオーストリアのハンガリー帝国の皇太子夫妻も出てくるので手汗。お二人しっかりしてー退廃的すぎるわ。というか国が立ちゆかないとなると治世より別の方にいっちゃうんですかね。とにかく、街中が不穏な雰囲気。皆さん過剰に着飾っててお洒落。
貴族の没落、社会構造の変化、民衆の略奪とか色んなシーンが見れた。主人公がなんだかじっとできない性格で常に出かけ、出かけた先でとんでもないことを目にするのに無表情な目撃者。結局お兄さんはいたのかいなかったのかはっきりわからないという。見てる方のイマジネーションに期待する、説明責任を放棄した作り方が効果的。ずっと、は?何?どーゆこと?と考えさせられて集中できてよかった。民衆の略奪が国家レベルになったのが戦争なのか?モラル維持大事。
夢を見てるかのように、どんどんシーンや話が進んでいく構成は、意識が混濁して、なかなかよろし。
「お兄さんは、社会の不安を自分の不安と重ね合わせすぎたんだ」という医者の言葉が印象的。時代の転換点、乱世を生き抜くコツは、ファクト確認と社会と自分を切り離すことなのか。
最後WW1に突入。戦線最前線で観察者。無力感。