大鳥涙

サンセットの大鳥涙のレビュー・感想・評価

サンセット(2018年製作の映画)
3.0
睡魔との戦いだった。
前作同様、ピントポイント・フォーカス下に、主人公の背後からの目線で、移動キャメラを回す手法。ここに、多重性を持たせた音を会話も含めて被せ、独特の臨場感を生み出す。確かに極限状態に陥った人物の心情を表現したり、その状況を体感させるには見事な演出だが、これが2時間継続すると、観るものには耐えきれない。
独り善がりとまでは言わないが、その作家性を褒めるには無理がある。要は単純なのだろう。類似のステディカムを使っても、キューブリックの作品(フルメタルジャケットやシャイニング)とは、雲泥の差。音楽、演劇といった、大衆に阿る比重が高い芸術は、鑑賞者に寄り添う姿勢も忘れて欲しくない。
この監督の作品は、当分観なくて良いな。
第一次大戦前のオーストリア・ハンガリー帝国の空気は何とか感じられた。
大鳥涙

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