サンセットの作品情報・感想・評価

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「サンセット」に投稿された感想・評価

「サウルの息子」ネメシュ・ラースロー監督の最新作。これは近年の映画作品でも屈指の歯応え。うーん、難しい。そして、面白い。

極端に主人公に依った画面で周囲や物語の行く末すら判明せず、観客の分身たる主人公の目的やその存在すらやがて曖昧になっていく独特のストリーテリングは「サウルの息子」と同様なれど、ゾンダーコンマンド、ホロコースト、ユダヤ教というガイダンスにより迷子になる事はなかった前作より、さらに作品構成が先鋭化され、飲み込み辛い。

タイトルは、まさに第一次大戦に向かうヨーロッパの「黄昏」を示唆し、オーストリア皇太子フランツ・フェルディナンドなんかも登場し、やがて混乱へと向かう中央ヨーロッパの最期の栄華を疑似体験させる意図があるように思うし、また、デコレートされた高級帽子やコルセットを着た女性がやがて男装するシーンに象徴されるファッションや文化的変遷の寓話の様にも感じる。そして、ある1人の女性の自意識の揺らぎ、夢と妄想の百鬼夜行の様にも受け止められる。

とにかく全編、形の揃わないパズルを組み立てさせられる感覚に惑うのだけれど、どうやらそれこそ監督の意図であるようで、混乱する観客の思考は狙い通りの模様。なんて、意地の悪い監督だw
しかし、昨今の映画は説明し過ぎで、観客のイマジネーションの広がりを妨げているという言説にもシンパシーを感じないでもない。

言葉少ない「語り部」イリスを演じるユリ・ヤコブの中性的でどこか病的、妄執的な危うさを感じさせる美貌は見ていて飽きないし、登場する女性たちの美しさ、男たちの顔のなんとも言えない味わい深さ。古い名画から切り取ってきたような写実的でいて想像力が刺激される画面の構成と美麗さも見応え、十分。

たまには、わかったつもりで映画を語るより、こういう映画に翻弄されるのも良い。
オーストリア・ハンガリー帝国から
西部戦線 異状あり。
帽子のお嬢さんの奇妙な冒険
6/9/19
no.124 m.53
無駄が多い。軸が見えてこない作品。サスペンスが作りたいのならもっと全体を見せないとサスペンスは生まれない。サスペンス以外が作りたくても、同様である。
大鳥涙

大鳥涙の感想・評価

3.0
睡魔との戦いだった。
前作同様、ピントポイント・フォーカス下に、主人公の背後からの目線で、移動キャメラを回す手法。ここに、多重性を持たせた音を会話も含めて被せ、独特の臨場感を生み出す。確かに極限状態に陥った人物の心情を表現したり、その状況を体感させるには見事な演出だが、これが2時間継続すると、観るものには耐えきれない。
独り善がりとまでは言わないが、その作家性を褒めるには無理がある。要は単純なのだろう。類似のステディカムを使っても、キューブリックの作品(フルメタルジャケットやシャイニング)とは、雲泥の差。音楽、演劇といった、大衆に阿る比重が高い芸術は、鑑賞者に寄り添う姿勢も忘れて欲しくない。
この監督の作品は、当分観なくて良いな。
第一次大戦前のオーストリア・ハンガリー帝国の空気は何とか感じられた。
あや

あやの感想・評価

-
視線。彼女の見つめる先や、彼女を見つめる嫌な視線。とても視線を感じる映画。見終わった後もやもや。ストーリーはなにを伝えたいのか、時代背景を感じられなかったのも残念。帽子や服は素敵だったな〜。
miraikako

miraikakoの感想・評価

3.8
監督の手法が
まんまサウルと同じでびっくりした。

彼女の着ているドレスや
帽子屋をいろどる帽子の美麗さ。
セットらしい町並みのらしさ。

サウルが閉鎖的な場だったのに対し
こちらは町だから、彼女の目線でそこを動き回る。

ただ彼女の行動は
サウルの信仰に支えられた息子への愛ゆえと理由づけできたのに対し
まったく意味がわからない。
彼女はいったいなにがしたいのか。
あまりに無謀であまりに無知で
ただ動き回って周囲を巻き込んでいく
お騒がせなお嬢さんってことじゃ納得できないし。

悩む。終わってからもかなり悩んだけど
わかんないもんはわかんない。
なのに、つまらなくはなかった。不思議映画だった。

2019/3/20
miyabi

miyabiの感想・評価

2.0
 全然ストーリーも見えてこないし。主人公が、自分の親のやっていた帽子屋に戻ってきて、って何で親の帽子屋を他人がやっているのか?何で戻ってきたのか?結局どうなったのか?最後のシーンは、何を意味するのか?結局、解らないまま終わった。聞いても返事しないし、主人がここに居ろって言ったのに言うこと聴かないし、帰れって言ったのに帰らないし。だんだん後半腹立ってきた。
 主人公の女優のアップばかりで、カメラの焦点を手前に持ってきていて、後ろがどうなっているのかぼやけていて全然解らない。
 ハンガリー映画?初めてかな?解らない

 ポスター見て、エマ・ワトソンに似ているってだけで観に来てしまった😭おお外れ‼️
ホントすいません。
お手上げでした。

公開前から新宿武蔵野館で展開していた帽子屋のイメージなどから、好きな雰囲気をビシバシと感じ取り、いざ鑑賞。
ハンガリー映画、はじめましてかも。

序盤は予備知識で得ていた通り。イリスがかつて両親が営んでいた帽子屋で働きだしす。兄の存在を知り、探し始めた辺りから怪しい雲行きに。
ヤバい、ワケわからなくなってきた…
必死に食らいつき、ラストまで観ましたが、何だったんでしょう?
スッキリしない。

オサレな帽子やファッションを愛でたと思うことにします…
QTaka

QTakaの感想・評価

-
なんだろう、この抑揚の無いスクリーンは。
終始表情を崩さないヒロインの演出は、何をしたかったのだろう?
よく分からん映画だった。
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オーストリア=ハンガリー帝国を舞台にしたということで、そういう時代をどこかに表現してくれているのかと思ったのだが。
残念な事に、時代背景を表わすカットは全く無く。
登場人物が、散発的に登場し、一体誰が誰やら分からなくなり。
主人公自体が、自らの出自、兄弟の存在を劇中で知り、探っていくのだから、その辺りの状況をストーリーと共に理解出来そうなものだが、一体何がどうなっているのか?
登場人物の判別がつかないから、主人公が誰に会って、何を知らされ、どういう場所に行ったのか?ホントに分かんない。
とにかく、分け分かんないし〜。という気分で、どんどん話が進む。
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映画の半分くらいで、飽きてきた。
何が?って、この主人公の顔に飽きてきた。
終始、変わらない不機嫌顔。
この主人公、生まれの家の帽子屋に突然現れて、我が物顔でいろいろ引っかき回し、完全に居座って、約束を守らず、勝手な行動をしまくり、周りの不評を買ってもかまわない行動を繰り返す。
この主人公の独断的な性格と行動は、どういう事なんだろう?
カメラは,、その独断専行な行動を追うように回っていくので、その視線も追うのだが、一体何を見ているのか、何を考えているのか?
帽子屋襲撃のシーンがクライマックスなんだろうけど、もうどうでもよくなっていたので、盛り上がるはずもなく。
この主人公、最終的には、散々お世話になった帽子屋の人々を虐殺する事に加担している。
目の前で暴行され、殺される仲間を見ても何もしない。
この虐殺と破壊って、つまりは、この伏魔殿のような帽子屋を壊したかったのかな。
それは、誰かを救うのではなく、全部まるっと無かった事にしようとしたのかな。
それってどういう事なんだろう。
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ラストシーンは、唐突に戦争(恐らく第一次世界大戦の対独戦線)の塹壕。
だから、これは何?
ホント分け分かんないぃ〜
結論、どうしちゃったんだ?この監督。
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