突発的に見てみたが想像以上に素晴らしいスリラー映画として出来上がっていました。色々良い所はありましたが、中でも主演の演技は非常に驚きで、過酷な環境への恐怖や苦しい状況への怒りや絶望を表情だけで感じ取れたので、かなりの緊張感を味わうことが出来ましたし、状況を共感しやすくなっていたのでキャラクターのことを好きになることが出来ました。
ストーリーもけっこう良かったです。思ったよりキャラクターの感情の変化が良く描かれていて興味深かったですし、人間味もあって映画がどこへと向かっているのかわからなかったです。そのおかげで復讐劇も成功するのかどうかわからなくなっていて、ハラハラさせられました。
この映画には主人公の復讐劇とは別にもう1つ人種差別のメッセージ性もありましたが、それも一切遠慮がなかった上に、上記の演技によって産まれていた緊張感もあいまってその悲惨さがより目立っていたと思います。また、主人公の相手となる将軍にヘイトを集める役割も担えていてストーリーにも自然に組み込めていたと言えるでしょう。
唯一好きじゃなくて気持ちが離れた所があるとしたら、撮影がクソな部分がありました。特にそれを感じたセックスシーンで、この映画全体が表情をアップで撮ることが多かったですが、セックスでそれをやるとレーティングの都合でわざと隠してるように見えて、その意図がないのはわかりますが、その度に現実のことを思い出させられます。
全体的にロケ地や照明などもあって非常なリアリティを感じたスリラー映画でした。個人的に好きな社会問題についての言及があったのもあってずっと映画に釘付けになりましたし続きがずっと気になっていました。あまり話題になっていないようですが、スリラーが好きな人にはかなりおすすめです。
