ジャックシューチャー

ナイチンゲールのジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

ナイチンゲール(2019年製作の映画)
2.9
時はブラック・ウォーの最中、流刑囚として軍人に奉仕していた一家がいた。慎ましく貧しくも故郷に帰ることを希望に働いていたが、ある日イギリス軍将校の暴走により夫と幼い子供を殺され、自身も激しく凌辱される。
彼女は怒りの鬼と化し、自身を物としてしか扱ってこなかった卑劣な男どもに凄惨な復讐を与えるための旅に出るのだった。

1800年代のオーストラリアのタスマニア島にイギリスが植民地化するために侵略してきたことにより、現地民との間で勃発した戦争らしいのですが、恥ずかしながらその歴史をこの映画を見て初めて知りました。
物語自体はフィクションらしいのですが、当時の状況下で主人公のような思いをした女性がたくさんいたのではないかと思います。それほど本作で描かれていることは重い。

本作はまず何より主演女優の演技が素晴らしい!
腹の底から沸いてくる彼女のどうしようもない悲しみと怒りがダイレクトに伝わってくるような、まさに迫真の見事な演技でした。

ストーリーは重い上に、復讐と迫害どちらにピントを合わせて観ればいいのか迷ってしまう展開にもなり、少々混乱してしまう部分もありますが、単純にサバイバルサスペンスもの、バイオレンス復讐もの、としてもおもしろく作られていてそれなりに見応えがありました。

ただ最後の歌はいただけない。何らかのメッセージが込められてるんでしょうけど、急激にフィクション性が際立った感じで首を傾げてしまいました。

それでも歴史の勉強にもなりましたし、一見の価値ありだと思います!