haruka

7月22日のharukaのレビュー・感想・評価

7月22日(2018年製作の映画)
-
この映画の2時間24分の中で、事件を再現したシーンは、時間にしたらそんなに長くはない。たぶん、犯人の準備も含め、30分あるかないかくらいだと思う。だけどそれが、すごく怖い。
犯人の淡々とした感じ、そして逃げ場のなさ。見つかれば、躊躇いなく打たれる。突然始まった恐怖に、彼らの体感時間はどれくらいだったろうと考えると本当につらい。
犯人の頭のよさ、冷静さがとてもよく分かる作りである。
そして、この映画の大半の時間は、そのあとの取調べや裁判、国の動き、そして生存者とその家族に当てられる。それは、ニュースでは知り得なかったその後の戦いの話であった。
忘れられないのは、犯人や極右思想の人のセリフだ。
子どもを愛してるという弁護士に言う、「一番痛いところを突きたかった」。
「世界は恐怖と怒りに満ちているから、明日は我々のものになる」。
亡くなった方の名簿の長さが果てしなかった。77人。そして、この日を境に人生が変わってしまった人は数えきれないだろう。こんな記録が、どうか破られることがありませんようにと、願うばかりである。
haruka

haruka