みきちゃ

7月22日のみきちゃのレビュー・感想・評価

7月22日(2018年製作の映画)
4.5
「ウトヤ島、7月22日」に続いて鑑賞。観て良かった。ほんとに良かった。ノルウェー人の国民性ってちょっと素敵すぎない???
 
2011年7月22日に極右過激派のノルウェー人♂が計画・実行した、オスロの政府庁舎爆破→ウトヤ島のサマーキャンプを狙った銃撃の連続テロの模様、そして犯人の裁判が終わるまでを多角的に俯瞰的に描く、短いとすら感じた144分。

報道されることの少ない、事件の「その後」。ノルウェー連続テロ事件に関して、これだけのことを見せてくれたことに感謝しかない。
 
ウトヤ島のサバイバー、青年ビリヤル。
彼の心身の経過。ご家族の在り方。

犯人に指名された弁護士の、職務をまっとうするマインドと、個人としてのご意見の線の引き方。

平等性を保とうとすることにより生じてしまう不公平さとの向き合い方。

難民を受け入れ、共存しようと真摯に模索する社会。

“人権”という概念。
 
犯人のと同様の思想は世界中に溢れていて、これから先、きっともっと拡がっていく。頑張れ地球。
 
人が愛されて育つことと、誰もが教育を受けられる環境を整えることの重要性を噛みしめた。

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ノルウェーには"暴力犯罪被害補償庁"というのがあることを知った。犯罪被害者補償金は75億円(日本は12億円)で、人口比をみると24対1だとか(ここはあとで自分でも調べる)。犯罪の被害者の被害っぷりがほんとにやばいと思ってて。被害者なのに実名と顔と職業も報道され、遺族はマスコミに追い回され、裁判とかなったらまた時間とお金かかって大変だし、それで多忙極めたり鬱になったりで仕事やめて貧困に陥る話も聞く。ノルウェーの、加害者の扱いの寛容さにびっくりしたけど、被害者への支援も手厚そうなことを知って、なんかうまくいえないけど、人権派ってこういうことなんだって理解が深まった。
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