レトーポ試験

ROMA/ローマのレトーポ試験のレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.6
完全白黒映画なのに、幅の広いフォーマットで粗さのない高精細な映像
左右にゆっくり、またはぐるっと一周するパンショット。遠方から役者を追う追跡撮影。特定の誰かを追うこともあれば、そうじゃない時もあるけど、とにかくコレが印象的でめちゃくちゃく見入ってしまう。長回しでゆーーっくりとした心地よさがたまらなく最高。
そして終盤の海でのシーンがとんでもなく綺麗。白黒とかそんなの関係なく、というより色がないが故に画に無駄がなく(ごちゃごちゃした色彩がなく)、ソフィスティケートされて目に優しい。

物語に関しては男性のしょうもなさ、頼りなさが描かれてる印象。だったけど、ん〜、そうじゃない気がした。それはあくまでもちょっとした付属の要素であって、この時代の不安定な社会の中で、人種とか階級とかその垣根を越えた繋がりの方が着目すべきだなと。ソフィア(雇い主)がクレオ(家政婦)に言った「何と言われようと私たち女性はいつも孤独」っていうのを、お互いの辛さ厳しさを乗り越えて、愛をもって前向きに生きる人生讃歌でした。2回目見るときはもっとストーリーに注目して見たい。
床の水に反射した飛行機に始まり、見上げた空を切る飛行機に終わる、超贅沢な映画だった。

映画館で上映したら1万円払ってでも絶対見に行く。
レトーポ試験

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