チィ

ROMA/ローマのチィのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.0
ファーストカットのただの地面、洗剤を流す波、光の加減で現れる反射、下方に溜め込む泡、全てが計算され尽くした長回しがもう心に刺さりすぎて、呆然。このシーンの為に如何に時間を費やしたのか。そして後にこのシーンや日常生活の伏線も回収していくキュアロンの意図が痺れすぎて、この作品をどんだけ愛しているのか、本気なのかを提示されて抱えきれない。

そして日常の中に女性の孤独と自立、強く生きるしかない現実をじわじわと滲ませ気づいたら自分の事のように感じて涙が出てきた。でも隣のおじさんは爆笑していて終わった後につまんなかったって言ってたから、この作品を観て価値が合わない人と付き合うと本棚持ってかれるぞってなるから品定めには良いのでは…。劇場公開しないことが残念。でもしても日本という国で評価はされ辛いかなとは思う…。傑作ではあるけど、説明がしづらい想いの数々が詰まっている。
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