HM

ROMA/ローマのHMのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
3.5
ある家族とそこで働く家政婦の日々を描いていた。
クレオの優しさ、正義感は全体を通して一貫していた。しかし、妊娠するも父親は責任を持たないし、最終的に赤ちゃんは死産になってしまう。

クレオの心情と並行して、
一家の妻の心情も重ね合わせられた。
子供達を残して、家を裏切る父親。
愛する人に裏切られたのは、クレオと同じだった。

「いつも私たち女性は独りなのよ」という
妻のセリフは、当時女性が生き抜くことの辛さのようなものを考えさせた。

ふと現代はどうなのかなとも考えさせられた。

クレオは泳げないけれど、
子供達の為に命がけで荒波に向かっていくシーンは彼女の正義感、彼らへの愛を感じた。

旅行から帰った家族とクレオのやりとりから
クレオが彼らにとってより大切な人になったように感じられた。

BGM、セリフを通して、
無駄なところがない。すごくリアル。
俳優が演じているのを観ている感覚ではなく
本当にこのような家族、家政婦、時代がありそうに思えてくるような映像だった。

特にクレオが映画を観に街に出かける時のシーンはかなり細かく作り込まれていた。
横にワンカットで映していくシーンだったから
すごい数の人や車、店が必要になる。
通行人一人一人、通る車、通り過ぎる店一つ一つの再現度がすごく高かったように感じた。

オスカーを取ったし評価されている作品だけれども個人的には3.0。
好き嫌いもあると思うけれども、
ここまでの評価を得るのには何か理由があると思うから、それを飲み込みきれてないのは
まだ自分の映画リテラシーが低いのかな...

なんでこの映画が評価されているかって部分を
理解できるように今度から映画を観よう!
HM

HM