アタフ

ROMA/ローマのアタフのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.2
アルフォンソ・キュアロン監督と言うと最近では『ゼロ・グラビティ』や『トゥモロー・ワールド』などによって巨匠というイメージがある監督ですが、個人的にアルフォンソ・キュアロン監督と言えば、ハリー・ポッターシリーズ最高傑作であると感じている『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の監督です。

前二作(賢者の石、秘密の部屋)と違ってこの作品から映像の質がグッと変わったことを覚えています。『ゼロ・グラビティ』でも宇宙空間で彷徨う人間を長回しで撮影していましたし、キュアロンは映像に凝った監督といった印象。



そして、この『ROMA』ですが

まぁ…物凄い映像のクオリティですねこれは…

白黒映画なのにと言うべきか、白黒映画だからこそと言うべきか、一つ一つの映像が美しすぎますよ!!どのシーンを切り取っても一枚の絵になります。

そのような美しい"映画的"な映像が流れるたびに、
「あ゛あ゛~~~~~~~ ええのぉ~~~~(^^)」
と風呂に入ったオヤジ見たいな反応をしてしまった。

また、遠目からの長回しシーンがとてもに多く、一人一人に焦点を当てるというよりは家族全体を遠目から映している、客観的な映像が映画の大半を占めています。

この客観的な長回しはミヒャエル・ハネケ監督もよく使っていますが、彼は人間は何を考えているか分からないという冷たい目線で撮られているのに対し、この『ROMA』はキュアロン監督の思い出を温かく見守る目線で撮られていて、同じ長回しショットでも監督によって意図するところが違うなと思いました。


この映画はNETFLIXのみの配信ですが、これは映画館で見るべき作品だと思います。素晴らしい映像の数々はまさに"映画的"な映像で、スクリーンで"体感する"、"浸る"といった楽しみ方をするのが一番ではないでしょうか。


ラスト近くの海辺のシーンは何故か涙が出てきてしまう…
そこには確かな愛が映っていたからかもしれません、子供たちのクレオへの愛、監督のお手伝いさんに対しての愛
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