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ROMA/ローマのkatoharuのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.6
我慢できず初日にイオンシネマにて鑑賞、映画らしい映画で、早まってNetflixに加入して観なくて良かった。2時間超、あっという間だった。
映像が、いわゆる美しいものを撮っているわけでないのにモノクロ写真集のように美しく、それぞれのシーンが眼にしっかりと焼き付けられた。クレオが電気を消すシーンなど、撮り方が秀逸。そして、特に音が素晴らしい。音楽ではない身の廻りの音が何かを示唆するように効果的に、でも自然に聞こえてきて感覚が研ぎ澄まされる。静かに地面の水面に映る空が流されていくのを映して始まり、今度は静かに本物の空を映して終わる。クレオの心の解放。物語の最初と最後で、静かにも激しくもあり、小さくも大きくもある変化が起こり、こちらの心に、波のように凄く自然にすっと入ってくる映画だった。クレオの心情に知らないうちに感情移入していた。クレオ、強い。
テーマが、銃だったり人種問題だったり、70年代のメキシコの話なのだが、今の世の中へのメッセージも強く感じられ、邦画でいう所の万引き家族かもしれない。
アルフォンソキュアロンは、「天国の口、終わりの楽園」「大いなる遺産」を観た子供の頃から気になっていた監督で、その後も「ハリポタ」「ゼログラビティ」と作品の振れ幅が大きくて本当にすごい。
でも、この映画は1番好きかも。
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