ざわさん

ROMA/ローマのざわさんのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
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2019年 14本目

あーおけおけ。こういうやつか。はっきりと好き嫌いが分かれるタイプの、見る人を選ぶ作品。まずはアカデミー賞3部門受賞おめでとうございます。
全編を通して白モノクロ。舞台は70年代メキシコで、当時の反政府暴動がこの映画の軸にあるけど、映画の中では大々的には語られない。政治的背景の知識は必要無いけど、あらすじ程度には読んでおく方がいい。登場人物は多くなく、ある家庭と、そこで雇われている召使いにフォーカスが当たっている。
この映画、個人的に三部策に分かれていると思う。中でも二部の「出産編」は絶望的かつエモーショナルで、それまで起伏が無かったストーリーに一気に重みが出た。正直前半は進展が皆無で、俺の苦手なジャンルの「視聴者に全部を投げかける」系映画かと思った。皮肉にも当作とアカデミー賞で争った『万引き家族』もその類よね。
最後まで、この映画が伝えようとしたこと、些細な場面に込められた真意など、曖昧すぎて分からないことばかりだけど、とても美しく、悲しいストーリーだった。
ざわさん

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