ぶてぃ

ROMA/ローマのぶてぃのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
-
対となるオープニングとラストシーン。地上から天上へ。滑らかに流れるカメラは、寡黙なクレオを取り巻く混沌とした世界を捉え、雑多で遠慮なく溢れる音たちが世界を豊かなものにする。そして水はこれから起こる出来事を予感させる装置として雄弁に語る。雨や雹、乾杯で溢れる酒、荒波。

正直前半は360度回転パンや、でかけるシーンが毎度横移動の長回しなどカメラの動きがあざとく感じられて集中できなかったりもしたのだけれど、中盤以降は目が離せなくなり引きこまれた。
ストーリーから外れるようなところで印象的なショット(火事の中でうたう男や蟹)が多々あり、数日経ってみるとそちらのほうが記憶に焼き付いて思い出されてくる。