すずき

ジャングル・クルーズのすずきのレビュー・感想・評価

ジャングル・クルーズ(2020年製作の映画)
3.7
時は第一次世界大戦の時代のイギリス。
探検家のリリーは、アマゾンに咲くという万病を癒す奇跡の花の手がかりの矢じりの貸出を学会に要請する。
だが、リリーが女性だという理由で、誰も聞く耳を持たなかった。
そこで彼女はその矢じりを盗み出し、弟のマクレガーと共にアマゾンへと向かう。
かつて征服者アギーレが残したという地図を頼りに、現地のガイドのフランク船長を雇うが、彼は胡散臭い人物でオマケにオンボロ船。
更には、ヨアヒム王子率いるドイツ帝国軍、そして400年前に死んだはずのアギーレが蘇り、矢じりを求めてリリー達を執拗に追うのだった…

ディズニーランドのアトラクションを原作とした映画。
同じようにアトラクションを原作にした映画に、「パイレーツ・オブ・カリビアン」があるけど、本作はそれのジャングル版、といった感じ。
船長のフランクはほとんど詐欺師で胡散臭く、その過去に秘密がある…というキャラ設定から「パイレーツ~」のジャック・スパロウだよね。
敵も「パイレーツ~」とモロ被りで、どちらも呪われた不死者。
ヴィジュアルも似通ってて、「パイレーツ~」ではフジツボとか海藻とかウジャウジャしてる海洋生物っぽいゾンビ、こちらは蛇や蜂やカエルがウジャウジャのジャングルゾンビだ。
極めつけは、フランク船長がゾンビ達に追い詰められた際に判明する衝撃の事実!
ネタバレになるから言わんけど、まぁ、そういうことや。

この映画を見たくなった理由、それは今年の「ワイスピ」にドウェイン・ジョンソンが出ないからドウェイン・ジョンソン分を補給する為…ってのもあるけど、もう一つあって。
それは、かつて秘宝である奇跡の花を求めたスペイン人の征服者で、それ以来ジャングルを彷徨い続けている「アギーレ」というキャラの存在。
これってもうアレでしょ、俺の好きな映画の「アギーレ/神の怒り」が元ネタでしょ!(他に元ネタがあるなら無知で恥ずかしい)
あと同じヘルツォーク監督×キンスキーのジャングルクルーズ映画、「フィッツカラルド」要素も少し。主に激流のシーン。
あとジャングルクルーズ映画と言えば、「地獄の黙示録」!
軍人であるヨアヒム王子がクラシックを口ずさんだりするのは、実はオマージュだったり…?それは考えすぎか。

レビュー脱線しつつあるので閑話休題。
気になったのは、突然のLGBT要素をぶっこんだ所。
割と取って付けたような感じだったなぁ。
ジェンダー要素も多々あって、そちらは無理矢理感は無かったけど、いかにも昨今のディズニー映画だなぁ、と思いました。
あとはギャグがつまらない事もマイナス。
フランク船長のダジャレネタは劇中でも寒いオヤジギャグとして扱われてるけど、それ以外もあんまり笑えないよなぁ。特にヨアヒム王子とマクレガーとの会話ギャグシーン、無駄に尺あったし。

総合的には、つまらなくはない全然楽しめる映画。
家族で見るのに良さそうな、安心のディズニー印。
ただ既視感ある展開でパンチは足りないので、濃い映画ファンのお眼鏡に適うかなぁ、といった所。