このレビューはネタバレを含みます
「僕らのヒーローはどこにいる?」
平成ライダーもいよいよ最終章となり、最後の平成ジェネレーションシリーズとなりました。
今回のテーマは「フィクションの世界」であり、今までのライダー達はテレビの中での存在に過ぎずないという何だか我々「大きいお友達」に対するメッセージみたいですよね。
なぜ、人は「仮面ライダー」に憧れてきたのかを問う作品であり、平成ライダーを見続けてきたならこの映画を是非とも見届けていただきたいです。
※以下ネタバレを含みます。
今回の主役は「ビルド」と「ジオウ」になりますが、このいわゆる「現実の世界」において彼らはフィクションな訳で架空の存在なのです。
「ビルド」である「戦兎」は本来存在しない偽物ですし、「ジオウ」である「ソウゴ」も「オーマジオウ」にならない道を進んでいるという点で本来の「ソウゴ」とはズレているわけです。
そんな架空であり、虚構の彼らですが、いよいよ自分達の世界すら虚構になる恐怖に陥ります。
「自分がいる、戦う限りライダーとして在る」とする「戦兎」と「存在が虚構なら今の自分は何?」と飲まれる「ソウゴ」の対比が歴戦を潜ってきたかの差を表していて良かったです。
「あの頃の信じた心の中にライダーはいる」
これが私には響いたテーマです。チビッ子だった当時でさえ「本当はライダーはいない」ことはわかっていたわけですが、「こういうヒーローがいて欲しい」とか「こういうヒーローになりたい」という想いがあって今も見続けて来たんですよね。
フィクションとか関係ないんです、ライダーファンの一人一人の中にライダーが確かに在るということを教えてくれる、支えてくれる最高の映画でした。