凛

記憶にございません!の凛のレビュー・感想・評価

記憶にございません!(2019年製作の映画)
4.0
三谷幸喜監督のコメディ。
『ギャラクシー街道』で迷走気味だったが今作は面白い。爆笑というよりはクスクス笑う感じ。
今まで三谷作品のドラマ・映画・舞台に出演していた方がほとんどで、ディーン・フジオカは初めて。
今回は政界を舞台にして記憶を無くした総理大臣という設定。
なんと言っても総理の中井貴一が上手い。
戸惑ったり翻弄されたり失敗したり狼狽したり、様々な顔を見せてくれる。
ジャーナリストの佐藤浩市との掛け合いは見事で『壬生義士伝』を大真面目にやった2人とは思えないコミカルさ。還暦も近くなってきてもまだまだ子供のよう。
石田ゆり子と小池栄子のコメディエンヌとしての魅力も満載。
『真田丸』メンバーも多く、草刈正雄はラスボス感溢れる官房長官。

『民王』のように親子が入れ替わって良い総理になるパターンもあるが、記憶を無くしたことでやり直すキッカケに。
狙撃ではなく投石。
徐々に明らかになる総理と周囲との関係。
血なまぐさくなくエロくなく、子供でも観られる安心な作品。
凛