けーすけ

記憶にございません!のけーすけのレビュー・感想・評価

記憶にございません!(2019年製作の映画)
3.8
2020/09/07(月) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。

この物語はフィクションである。
登場する人物名、団体名、国名は全て架空のものである。
実在するものと似通っていたとしても、それは
たまたまである。


上記のような注釈テロップから始まる本作。現職総理大臣として支持率2.3%という壊滅的な数字を叩き出した国民ほぼ全員からの嫌われ総理・黒田啓介(中井貴一)が演説中に受けた投石で記憶を失いながらも、側近のサポートで様々な難局を乗り越えていくという政治コメディ。


DISCASのレンタル希望リストの1位に入れてたのに、枚数が少ないからかなかなか届かずでようやく観られました。映画館で見逃したけど、ひたすらに声出してケタケタ笑えたのでこれはこれで自宅鑑賞でも良かったかも。



普通に考えると、政治に関する事含めて様々な事の記憶が無くなってしまったら生活すらできないでしょうが、色々ありえない部分を含めて前述テロップの通り完全にファンタジーなコメディという事で、都合よく乗り切っていってました。


大臣からの、
「例のアレの件ですが、アレはアレしちゃっていいですかね?アレですし…」
というボヤかしまくった怪しい話にも
「う、、、うん、アレしちゃいましょう…」
と答える記憶喪失総理が笑えます。

そんな感じの“いかにも三谷幸喜だな~”という作りで、小気味がいい感じで笑いが次から次へと。ただ、大きな起伏もなく終始少しゆったりめのテンポでストーリーが進むのは好みが分かれるところですかね。2時間強の上映時間は少し長く感じてしまった。

でも、それまでのパワハラセクハラ&怪しい金を動かしていた黒い総理が、記憶が無くなって綺麗な総理に生まれ変わり、徐々に周りを巻き込んで動かしていく描写にはたまに感動させられたりと、ステキな場面も多々あって悪くは無かったです。



総理を演じた中井貴一のコメディでの安定感は安心して笑って見られて、記憶が全くない時の挙動不審感は絶品。秘書官のディーン・フジオカと小池栄子もいいキャラしてました。
ちょっとやさぐれた感の怪しいライター役の佐藤浩市も好きだったなあ。ほんとこの人は何をやってもハマってて凄い。

本作では野党党首の山西を演じた吉田羊さんのブっ飛んだキャラが一番衝撃でした。いったい(記憶喪失前の)総理とどんなプレイをしていたのだ・・・笑



突き抜けた毒のある笑いは無いですが、安心して観られるコメディとしては良い映画でした。

観終わって気になっているのは、黒田総理のアレがアレだったのはどのタイミングだったのだろう…?やっぱりアレでアレされた時かなあ?


[2020-139]
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