ワンコ

無限ファンデーションのワンコのレビュー・感想・評価

無限ファンデーション(2018年製作の映画)
4.2
【等身大の揺れ動く感情】

大人が見て、どうして、そんなふうに考えるの?とか、行動するの?って思う場面は沢山あると思う。

でも、これは、彼女たちの等身大の揺れ動く感情を非常によく表しているのではないのか。

昔、通っていた学校で、道徳の授業があった。

正式なカリキュラムに従ったものではなくて、教育研究の一環だったどう思う。
まあ、僕達は研究対象になっていたのだ。

ただ、安倍晋三フリークの好きな、あの森友学園ばりの教育勅語のような愛国教育は一切なくて、与えられた課題(とはいっても、短い、短編小説よりも短いかもしれないストーリー)を読んで、正解などない議論をクラスでするのだ。

この映画だったら、

ナノカの行動についてどう考えるかとか、

ナノカはどうするべきだったとか、

どんな気持ちで衣装をペンキで汚したのだろうかとか、

他のみんなはナノカやペンキで衣装を汚した子にどう向き合うべきかとか、

一方で、ナノカのように皆も夢や目標に向かってクラブ活動をすることは大切なのではないのとか、

未来のような才能を見出してあげることは、実は皆んなも欲しているはずだとか、
小雨とは誰なのかとか、

もし、小雨がいたら、皆んなにとってどんな存在なのかとか、

ある時点で時が止まったような先生をどう思うかとか、

その気持ちはどんなだろうかとか、どう踏み出すべきだとか…。

こんなことを止めどなく議論するのだ。

この作品は、中学生や高校生、或いは、先生を目指すような人が見て欲しい気がする。

でも、親も絶対見たほうが良い。

まあ、皆んなが見るべきかもしれない。

高崎商科大学附属高校の21年3月の卒業式での小雨さんのプチコンサート映像付きの上映で、歌は本当に良かった。

安倍晋三フリークの好むような愛国教育は要らないけど、僕たちの受けた授業は良かった。

僕は、金八先生は押し付けがましくて好きじゃなかったけど、NHKの中学生日記はいい番組だったと改めて思う。

押し付けられるのではなく、自ら考える教育の環境は日本にもっとあっていいと思う。
ワンコ

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