永遠の寂しんぼ

ラストレターの永遠の寂しんぼのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
4.4
『森七菜の演技が光りまくり』

『サヨナラまでの30分』のカセットと同じく今作の手紙、文通というのも今の社会からは疎遠になってしまったアイテムだ。メールとかラインと違って誰かに手紙を書くには色々文面を考えあぐねたり相手の反応を想像してもやもやしたりする。そうした『抵抗』がある分想いも真摯に伝えることができると思うし、今作でもかつての初恋の人との淡い恋心をしみじみに感じることができた。

役者陣は(庵野監督以外は(笑))総じて素晴らしかったが、特に森七菜の演技力が凄すぎた。一切芝居っ気を感じさせないとても自然な演技でびっくりした。ただこの映画は広瀬すずと森七菜が一人二役をしているから回想シーンは「誰が誰の青春時代の姿だっけ?」と若干混乱する時はあったけれど。福山さん演じる鏡史郎のかつて愛していた人ともう会えないやり場のない感情もぐっと来た。ただ、あの居酒屋でのシーンといい、彼の想い人である未咲について「そこ堀下げないの?あの人との関係はなんだったの?」と若干消化不足でもやもやしたまま終わってしまった感はある。