うろもとうとか

ラストレターのうろもとうとかのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
4.0
予告の時点で岩井俊二を通した
森七菜と庵野秀明が
最高の予感で数ヶ月うずうずしていた
なんとなく他のキャストは
このぐらいの感じというのが想像できたけど
予告の時点で二人はこえてくるものがあった
本編も勿論二人ともよかった
今まであまりにもいいものを残してきたから
本作が最高傑作とは一概には言えないけど
もはやストーリーがどうとか
そういう次元ではなくなってきていて
岩井俊二を通した世界のつづき
とにかくその"とき"に
浸り続けたい気持ちにさせるから
エンドロールが終わって明かりがつくまでに
そうか映画館だからこのまま何度も何度も
気が済むまで再生して浸れないんだと
"初めて岩井俊二を映画館で観た"ことを
とても実感した
それからの一週間で観逃していた
四月物語とラブレターを観た
ただ一緒したことのあるキャストが
もう一度キャスティングされた
ぐらいに思っていた
松たか子、中山美穂、豊川悦司
その当時起用された意味や理由が
今作と相見えることによって
より深まった印象
ラブレター(と四月物語)と
ラストレターの関係性は
リドリースコットでいうところの
エイリアンとプロメテウスのような
つながっているようないないような
幾年の経験値によって辿り着いた
パラレルな神秘性
そこにみえないSFがあるように感じた
そう感じたのは岩井俊二が脚本を書いた
なぞの転校生のせいでもあると思う
映画自体の話からは逸れるけど
森七菜の主題歌の入ったEP
小泉今日子のカバーが入っていて
アートワークは永瀬正敏
実はふたりの娘でしたとでも
言い出すのかと思った
まあ毎日かあさんの衝撃には劣るけど
アルバムまで
岩井俊二と小林武史で通されたら
そのアルバム、きっと買ってしまう