ホシピロリンティウス

サンストローク ロマノフ王朝の滅亡/サンストローク 十月革命の記憶のホシピロリンティウスのレビュー・感想・評価

4.2
時代はロシア革命前後のお話。主人公はボリシェヴィキに敗れた白軍で大尉。革命以前の美しいロシアの日常を思い出す回想シーンと、戦後移送される道中のリアルなシーンが交互に映し出される。

この映画は白軍に主眼を置いていたため、華やかなロシア革命の裏側を知ることが出来た。
また革命や権力闘争には、計り知れない多くの人々が犠牲になっているんだなと改めて思い知った。

そして驚きのラストシーン
主人公の想い人探しを手助けした少年が、実は赤軍の下士官となってたという展開!
その下士官は、少年の頃『種の起源』に翻弄されて、「人間の祖先は猿だった。ツァーリ(皇帝)の祖先も猿だったんだ。神はいないんだ。」と悟り、主人公に神はいないのかと問い詰めるシーンがある。
そして、大人になった少年が残酷にも、白軍の主人公が乗っている船を沈めるようにと命令をくだす。

最後の最後のシーン。主人公の声が届いていたのかは分からないけど、少年が手を振ったのはおそらく「船を沈めろ」の合図だったんだろうと思うと息が詰まる。