がんびーの

永遠の門 ゴッホの見た未来のがんびーののレビュー・感想・評価

3.9
『私の芸術は未来のためにあるのかもしれない』

「潜水服は蝶の夢を見る」のジュリアン・シュナーベル監督の作品。
巧みなカメラワークに色鮮やかな景色、心落ち着かせるピアノ。芸術的レベルの高い作品でした。ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの短い人生を一人称視点で体感することのできる素晴らしい映画だと思います。

自然の美しさ、そしてその美しさ一身にキャンバスに落とし込もうとするゴッホの姿。芸術家は絵が上手いだけじゃダメですね。自然の素晴らしさや愛おしさ、恐ろしさを感じる感受性がなければ。南の国で、風に吹かれながら良い景色を探すゴッホはとても人間っぽくて、とても可愛らしかったです。天才と狂人は紙一重と言いますが、まさしく彼もその一人だったのでしょう。ひどい精神病に悩まされ、村人から変人扱いされる。自分のことを信じてくれるのは弟だけ。それでも描き続ける。ひたすら。

ゴッホの父が牧師だったこと、ゴッホが若者に撃たれて床に伏していた時に撃たれたと言わなかったこと、ゴッホが死ぬ少し前から評価され始めていたこと。色々しれて良かったです。

「ひまわり」などの名作で知られるゴッホ(1853年ー1890年)、意外にもその名と名作の多くは生前は知られることがなかった。また、その名作の多くは37歳で亡くなる前の数年間で描かれている。彼の生涯はどうすれば素晴らしい絵を描くことができるかという悩みの多い人生だった。『永遠の門 ゴッホの見た未来』はゴッホの死ぬ前の数年間、自然と人間を題材に悩みながら後世に評価されることになった名作を誕生させた日々を描いている。また、自殺と言われる彼の謎の多い死についても新たな解釈で描いている。

ぜひぜひ
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