オクやん

キング・オブ・シーヴズのオクやんのレビュー・感想・評価

キング・オブ・シーヴズ(2018年製作の映画)
3.0
2015年、ロンドン最大の宝飾店街の貸金庫から現金や宝石約1400万ポンド(20億円)が盗まれた「ハットンガーデン事件」。その金額の大きさとともに窃盗団の平均年齢が60歳を超える高齢者集団だったことが注目を集めた事件を基に、アウトサイダーの本質に迫った作品。
特に緻密な計画を立てたわけでもなく、迅速に窃盗行為を実行しだした場面には少し面食らった。この映画の本質は寧ろ、その行為よりも人間ドラマを描きたかったのだと推測したのだが、どうだろうか。
にしても監視カメラ、車の登録ナンバー等々、あからさまに素性が明らかになる事を予測してない無防備さは年齢的なものから来るものなのか。
結局若い警報機のプロだけが国外逃亡に成功し未だ逃げおおせていたのが象徴的。残りのメンバーは自宅で一斉逮捕。もしかしたら途中から単独行動に出ていたマイケル・ケインだけがどんでん返しで警察を出し抜くのではと期待したがあっさりと逮捕されたのは意外であった。
ラストは公判に向かうメンバーたちが囚人服からスーツに着替えをするところ。マイケル・ケインが、”刑務所の暮らしより死後が心配”と言ったのが印象的に残った作品であった。
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