◆あらすじ◆
1860年代のアメリカ、父が南北戦争に出征し、母と共に家を守る4人姉妹の次女のジョーは作家になる夢を追い続けていた。そんな彼女に幼馴染で裕福なローリーがプロポーズするのだが...。
◆感想◆
アメリカ南北戦争時代をマーチ家の4姉妹が様々な出来事に遭遇しながら生きていく姿を描いた作品となっており、ジョーを中心に置きながら4姉妹のそれぞれの心情がしっかり伝わってきて、男尊女卑の風潮の中でも女性として力強く生きていく姿が印象的でした。
牧師の父が南北戦争に出征し、女性だけとなったマーチ家では包容力のある母と共に4姉妹がそれぞれの考えを持ちながら清らかで真っすぐに日々を過ごしていて、時代の違いはあれどとても幸せそうに見えました。
次女のジョー(シアーシャ・ローナン)は気が強く、極端に考える部分があって4姉妹の中でもかなり個性的で、作家として男性に負けない作品を作るべく奮闘していました。彼女は近隣の幼馴染のローリー(ティモシー・シャラメ)と親しい間柄になるのですが、作家として成功すべく彼との交際を断っていて、もう少し柔軟に幸せになる方向に進んだら良いのではと思ってしまいました。しかし、人一倍家族思いの部分も彼女にあって、貧困にあえぐ中、自らの髪を撃ってお金を工面する姿は彼女の気持ちの強さを感じました。
長女のメグ(エマ・ワトソン)はしっかり者でいつも母や妹たちを気遣う理想的なお姉さんという感じであり、三女のベス(エリザ・スカンレン)はピアノが好きな大人しい女性、四女のエイミー(フローレンス・ビュー)は男勝りでジョーに負けない気の強さをもった女性であり、それぞれ個性的にストーリーを彩ってくれます。
ストーリーとして、現在と7年前の彼女たちを適宜入れ替えて描かれていて、マーチ家で起きた出来事を緩急をつけて描いていて、所々で観ている側の感情を揺さぶる描写があって最後まで退屈することなく観ることができました。前述のとおり、ジョーが中心ながら4人姉妹のそれぞれの人生がしっかり埋もれることなく描かれている点がとても良かったと思います。
ラストは良いことも悪いことも飲み込んで生きていった彼女たちの明るい未来が見えるようでとても気持ちの良いものになっていました。観ている側が求める姿を提示していたと思います。
古典的な作品を現代の美しい映像でブラッシュアップして観やすく、感情移入しやすい作品へと進化させていて、最後まで観ていて楽しかったです。
鑑賞日:2025年4月29日
鑑賞方法:Amazon Prime Video