こうみ大夫

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のこうみ大夫のネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ティモシー・シャラメめ、いつもに甘い顔ばかりしやがって、いつか六本木ヒルズのトイレで文春砲でも食らいやがれ!
オープニングのハイスピード撮影で「はいはい、いつもの雰囲気映画ね」と油断したのが運の尽き、すぐに最高の映画へと化けていった。
短い一つ一つのシーンが全て記憶の断片であり、その時の感情を見事に説明していて、かつ物語もくずしてない(まさに最高の映画編集!)。そしてラストにはそれがジョー自身が一枚一枚床に広げて時系列を混ぜ合わせる物語の作り方であるというところへと重なっていく!素晴らしい。
よく考えれば今を代表する最高の「女優」たちが連打パンチのように演技を見せつけてくるのだから敵うわけがない。ハリウッド久々の「かたい」映画とも言える。
音楽が邪魔なようで邪魔じゃない。ああこの感覚エニグマと似てるなぁと思ってたら作曲家同じだった笑
撮影も演出も音楽も、なにより演技、編集、全てのスタッフが見事。総合芸術な映画だった。全ての力が感情で物語を紡ぐという方向に行っているから凄い。こういう芝居とか演出は日本では決して出来ない。決して。提案しても「は?」の世界だろう。でもそういうことがやりたいとスタッフ皆が理解しあえているから、この作品は生まれる。ただの大河にならない。ただの女性活躍プロパガンダ映画にならないのだ。
この映画を見た人は、レディーバードもこの時代も人間は変わらないなと思うだろう。現にこの監督は女の喧嘩を描くのがうまいし、見栄にすがる人の姿も変わらず描いてる。こんだけ前近代な話をそう魅せれるのだから、もうその時点で勝ちだと思う。
こうみ大夫

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