自粛明けの最初の一本として、3月27日の公開予定だった本作を鑑賞してきました。『若草物語』に心酔するグレタ・ガーウィグ監督が溢れんばかりの愛情を込めた作品。
アカデミー賞は衣装デザイン賞のみの受賞でしたが、ノミネートされていた脚色賞も獲って欲しかったなあ。"ラビット"じゃなくて。(笑)
原作に忠実ながらも、マーチ家の次女ジョーを主人公にして、家族と大事な思い出を断片的に差し込むことにより、観る者が物語を一緒に体験する効果を高めていました。
そして原作にはない、ジョーが原稿を持って、出版社の編集者と対峙するシーンを加えることにより、原作者オルコットへの敬意も感じられました。
また四姉妹の会話のシーンは、セリフがテンポ良く進められ、ハーモニーとなって耳に響いてきます。ここはグレタ監督の演出意図のようで、全体的にも緩急を付け心地の良いリズムを刻んでいます。
音楽も素晴らしくて。ジョーの恋人のフレデリックがベスのピアノで弾いた曲は何という曲名だったんかな🤔。このシーンは胸に響いて思わず涙ぐみました。どなたか知っている人がいたら、教えて下さい。
言わずもがなキャストも良かったですよね。特にシアーシャ・ローナンの高い演技力はもちろん、あの青い瞳は吸い込まれそうなくらい魅力的です。ジョーは夢に向かって疾走する。自立のため、ベスのため、苦難を乗り越えて・・
シアーシャ・ローナンとティモシー・シャラメは、2020年公開のウェス・アンダーソン監督の『The French Dispatch (原題)』でまた共演するみたいで楽しみです。
今回2ヶ月半ぶりの映画館での鑑賞でしたが、幕開けに相応しい素敵な作品でした。
14日(日)はTOHOシネマズのサービスデイで、府中では本作が唯一の新作でしたが、場内はガラガラで寂しいかぎり。1日も早く安全で賑わいのある映画館での日常が戻ることを願います🍀