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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の655321のレビュー・感想・評価

4.3
135分の上映時間の内、
半分くらいはウルウルしてた。
もしかしたら もっとかも。
なんでかはわからない。

ただ ここには私の信じている
または信じたい
世界があった。

グレタ・ガーウィグの書く脚本は
いつも悪人が出てこないから好きだ。
彼女は人が多面的な生き物であると知っている。
“正解”が無いことを知っている。
人生に正しい結末なんて無いんだ。

だから『ストーリー・オブ・マイライフ』ってすごくいいタイトルだと思う。
この作品だけじゃなくて『フランシス・ハ』とか『レディ・バード』とか。
グレタ・ガーウィグが言いたいこと(或いは唯一出来ること)ってそういうことだって思う。
“わたし”の人生を語ることだ。

そして彼女の物語はピンポイントに私の物語を撃ち抜く。
…不思議だ。
私は現代の人間で、日本で生まれ育って、男性で。
これらは彼女達と何一つ共通していないけど、
この映画は私の映画だと感じてしまう。
多分、ミクロな“わたしの物語”であればあるほどそれは本物らしく輝き、瑞々しいから。

“わたしの物語”を紡いでゆこう
とする一点においては皆、純粋だ。
それぞれの物語はあれど、
そのそれぞれの懸命な姿に
ずっと感動していたのかもしれない。
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