成川ジロー

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の成川ジローのレビュー・感想・評価

4.5
「若草物語」と言う邦題を考えた人天才かと思うほどしっくり来た。ほんと、色んなことを感じて考えて成長する若草たちの物語って感じで。お見事。お話も画も満足。テンポも良くて、なんか派手なことが行われている訳でもないのに全く飽きずに最後までノンストップで突き進む。爽快感すらある素晴らしい「若草物語」。
役者がみんな良かったけど、エマ・ワトソンとシアーシャ・ローナンに挟まれてもなお輝きを失わないフローレンス・ピューが特に良かった。エイミーよりジョーの方がお転婆みたいな設定だったけど、エイミーの節々に出てしまってる素のお転婆さが素晴らしかった。最近マジで注目されてて、『ミッドソマー』でも『ファイティングファミリー』でも主演で、今回もほぼ主演みたいなもんだしね。『ブラック・ウィドウ』が待ち遠しい。
4姉妹+母親の関係性も本当に良い。それぞれが持ってないものを持っていて嫉妬していたり、真ん中でフラフラ漂っているローリーとの関係含めて見ていて面白い。最後の手紙をローリーがポストを先に見に行っててもっとグッチャグチャになって欲しいなともちょっと思いました笑

結婚や才能に限らず、可能性に対して頑固になっちゃいかんのよね。ジョーが「女の幸せは結婚ではない」って言うのはわかるんだけど、それに囚われすぎて頑固になってて、「結婚しつつまた幸せであっても良い」っていう柔軟性寛容性がやっぱり必要だなと思った。最後たどり着けて良かった。
幸せになると言うことに関して、生き方や思考の柔軟性って大事で、自分の決断は勿論、他人の決断にも寛容になるべきだよね。愛って言葉の意味もよくわからないまま、「愛してる」とか「愛じゃなかった」とか言うこともままあるし。若草だし。人生何が起こるかマジでわからん。急に死ぬこともあるし。本当ならば無責任を許したい。でも社会に生きてるからそれがしづらい。力を持ってるのに何かを成そうとしない社会不適合者なローリーにやっぱりイラッと来ることが結構あった笑
ローリーずるいよ笑

もっと女性が一人で成功するまでのドロドロした苦労話を想像してたんだけど、見てみて爽やかでとても良かった。広くオススメです!
成川ジロー

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