しんしん

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のしんしんのレビュー・感想・評価

4.4
👏👏👏素晴らしい作品に出会わせてくれてありがとうグレタガーウィッグ監督

数ヶ月ぶりに映画館に行かせていただきました。久しぶりの映画館でこの作品を見れたこと、きっと歳をとっても忘れないと思います。

原作はオルコットのlittle women
あの若草物語をこの時代に再び作り直すことの意義というものが非常にある作品に仕上がっていた。
次女のジョーを語り、主人公の立ち位置に持っていき、ジョーとオルコットをリンクさせながら脚色されたストーリー。
女性の社会的自立の難しさ、結婚という形どられた幸せ。その結婚観には姉妹それぞれの考えや立ち位置があり、どの選択肢も一概に良い悪いという判断をさせない非常にリベラルな演出。
そして、終盤物書きができなくなったジョーは、自分自身で少女時代に別れを告げ石を切ったように物語を紡ぐ。幸せだった生活、過ぎてしまった時間、過酷な現実全てを彼女は物語に乗せる。それはオルコットの在りし日の姿であり、グレタガーウィグ自信の姿でもあるのだろう。
ラストのメタ構造のエンディングはどちらを選ぶのも観客に委ねるというように作られていた。オルコットは生涯独身を貫いた。ジョーはオルコットと同じく物語通りには結婚しなかった、とあのエンディングを読みたい。
ウディアレンの「インテリア」を意識した画面構成も良かった。
音楽のデスプラットは相変わらず最高だし、衣装や舞台造形も素晴らしい。状況に合わせたフィルターの撮影も良かったし、ティモーシーは眼福だし、はぁ最高。