門倉カド

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の門倉カドのレビュー・感想・評価

1.5
幸せとは・・・?愛とは・・・?考えさせられる青春物語。

【賛否両論チェック】
賛:四姉妹それぞれの、幸せや愛に対する価値観の交錯を通して、その本質が問いかけられていく様に、思わず考えさせられる部分も多い。
否:物語の時間軸が少し分かりにくい印象を受けてしまう。展開も結構ご都合主義か。

 「結婚が女性の幸せ」と言われて憚られなかった時代にあって、そのステータスに疑問を抱き、自分の夢へ向けて歩くことを決めるヒロイン・ジョー。そしてそんな彼女とは対照的に、愛する人との結婚が幸せだと疑わないメグや、裕福になることに幸福感を見出そうとするエイミー、彼女達とはある種の一線を画し、家族といられることに幸せを感じ続けるベス。四姉妹がまさに四者四様の価値観で、時にぶつかり合ったり、時に励まし合ったりしていく姿を通して、「本当の幸せとは・・・?」「本当の愛とは・・・?」といった普遍的なテーマが、ストレートに問いかけられてくるようです。
 しかしやはり文学小説の物語なので、非常に淡々とした雰囲気や、とっても都合の良い展開、そして伝わってくるテーマ等々、どうしてもその少し固い空気感は、好き嫌いが分かれそうなところでもあります。時間軸も7年前と現在を頻繁に行ったり来たりするので、
「これは・・・どっちのシーン?」
と判断するのに、毎回戸惑ってしまう感もあります。
 幸せへの価値観が多様性を極める現代であればこそ、求められているお話であることは間違いありませんが、基本的には文学的なお話が好きな方向けの作品といえるかも知れませんね。
門倉カド

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