七沖

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の七沖のレビュー・感想・評価

4.2

〝今日も「自分らしく」を連れて行くーー〟
女性の幸せが結婚とされていた時代、自分らしさを貫いた主人公を完璧に表現したキャッチコピーだと思う。あくまで「自分らしく」であって、女性らしさや結婚を否定しているわけではないのが肝だ。

マーチ家4姉妹の次女・ジョーは小説家を目指している。気になる男性との結婚に悩みつつも、自らの夢も大切にする半生を、過去と未来の時間軸を交互に描いていく…というストーリー。

ストーリーに大きな抑揚はないが、4姉妹の半生が丁寧に描かれていた。
マーチ家の母娘は仲良しで、父親からの手紙をみんなでくっつきながら読むシーンは観ているこちらの心も温かくさせてくれる。
父親が帰ってきた時の「これでまた文句を言える」という母親の漏らした言葉に、愛情の深さと南北戦争中だった当時の過酷さを感じた。

エマ・ワトソンがドレスを着ているのを観たのは『美女と野獣』ぶりだったが、ああいう衣装がめちゃくちゃよく似合う…!

過去のシーンは明るめ、現在のシーンは暗めの色彩で描かれていたのが印象に残る。
そしてラストシーンの色合いで、ジョーは幸せになったんだということが視覚的に分かるのは興味深い。

自分は世界史に疎いのだが、この作品を観たことで南北戦争について勉強する気になった。
映画はいつも、たくさんの知識や勉強のきっかけをくれる。これだから映画はやめられない!
七沖

七沖