mayumayu

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語のmayumayuのレビュー・感想・評価

4.6
子供の頃、ひとまわり上の従姉妹からのおさがりの本の中に、
若草物語はあった。
小公女、小公子、赤毛のアン、秘密の花園。トム・ソーヤーやハックルベリーフィン。
二年間の休暇に海底二万海里。ドリトル先生シリーズにシートン動物記。名作オペラ童話集なんてのもあった。今は欲しくても絶版。
繰り返し読んだ大好きな本たち。

ウィノナ・ライダー版はすぐ観た。これも楽しみにしていたのだけど、コロナで怖くて見に行けませんでした。

すごく良かった!
忘れていた詳細も、映画を見ている途中でスルスルとほどけて思い出され、
得難い体験をさせてもらった。少し原作とは異なるところもあるのですが、違和感はなかったです。紫の縫取りの上靴、スケートで川に落ちるところ、クリスマスに食べ物を届けに行くところ。焼け焦げた巻き毛。大切なエピソードそのままでしたね。

物語でも、前作でも、恋愛というよりは「女性の自立」がメインのように感じたのですが、
今作はそれぞれの恋がじっくりと描かれている。
ローリーがなぜいきなりエイミーにいったのか正直ずっとわからなかったんですが、本作ではすごく納得がいったんですよね。
いや、前作を見たときや本を読んだときは単に私が子供だったのかもしれないけど。

原作では圧倒的にジョーが主役なので、ジョー目線でしかいろいろな物事が見られなかったのです。ジョー目線だけだとエイミーの良さがよく分からなかった。昔は意地悪、我がままだけに見えたエイミー。ジョーの事がよくわかってたからあの意地悪ができ、自分を客観的に理解し聡明だから成長し生き方を変えていけたのが今回見えた。
ローリーも原作では寂しいながらもそれを全く表に出さない非常に闊達な青年なので、なぜジョーが彼に魅力を感じないのか全く分からなかった。今回、ティモシー・シャラメの線のほそーいローリーは、4姉妹の様子に心を温められ、思いっきり振られ、成長した芯の強いエイミーに後になぜ惹かれたのか納得のいく人物造形だったなあ。
逆に、ジョーがすごく情緒不安定に見えましたね。もっと力強いイメージだったのですが。
感受性豊かで天真爛漫というか猪突猛進?弱さも強さも併せ持つジョーをシアーシャ・ローナンがみずみずしく演じていました。シアーシャ、実は初めて。
最初キャスト見ててっきりエマ・ワトソンがジョー役だと思いメグ役で意外に思いましたが、可愛らしいメグを演じていて良かったです。ローラ・ダーンは今まで見た役がバリキャリ風が多かったので、優しく温かく献身的なマーチ夫人の役でびっくりでした。役者さんすごいなあ。
お金持ちの叔母も、原作のイメージではひたすら嫌なおばさんなのですが、当時の女性の社会的な立場を背景に、彼女なりにマーチ家を思っていたのがわかる作りで、メリル・ストリープがすごいのか、脚本がいいのか、両方なのでしょうね。
娘は一緒に見てくれなかったけど、すごく良かったなあ。
今日は鬼滅は見られなかったけど、満足度は高かったのでまた週明けから頑張れそうです。
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