ヘイミッチ

ディリリとパリの時間旅行のヘイミッチのレビュー・感想・評価

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
4.7
大好きなミッシェルオスロ監督の久々の長編アニメ。
キリクと魔女3が日本に輸入されなかったことで絶望していましたが、待っていてよかった!とっても素敵な大作がやってきました。

幻想的でとんでもなく綺麗でオシャレな映像と素敵な音楽と教養とメッセージのある面白いストーリーが揃っているんですよ、見るしかねぇ!!って感じですよね。

開始早々の密度の高いお馴染みの画面と実写の風景写真が織りなすベルエポック時代のパリは、美しくって偉人がいっぱいで時間旅行の先に最適。

人種差別と男尊女卑の問題を取り扱ったストーリーは重く、衝撃的なヴィジュアルが心にささりまくります。そういえば意地悪なルブフの間違った行動をあっさり許した登場人物たちの心の広さはキリスト教圏故なのですね。日本ではあまり馴染みがないです。

アズールとアスマールに引き続き2Dと3Dが融合した登場人物の服は影すらないベタ塗りで、顔と手だけは最低限の3D処理がされているもんだから、なんか立体感あるような無いような違和感ばりばりの映像に仕上がってます。でもこのシュールな雰囲気が、日本では生まれ得ない世界観でいつ観ても新鮮で飽きないんですよね。

余談ですが、円盤がきちんと三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーから出ることになっていてとんでもなく嬉しいです。
あんた生きてたか!!