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ダーク・スクールのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ダーク・スクール(2018年製作の映画)
2.5
サスペンス・ホラーと言ってるけど、どっちかって言うとゴシック・ホラーになるんじゃないかと思う。

問題児(女子だけ)を構成させる寄宿学校が話の舞台なんだけど、森深い土地にあり、建物もやたらと古めかしい、おまけに中は昼夜問わず薄暗いし、この学校の見せ方がかなりゴシック調なんだよ。

で、この学校。問題児でも何か一芸に秀でた才能を持ってる女の子だけを入学させる特殊な方式を取ってる。
これも不思議で入ってる子はその才能をこの学校に来る前に開花させてるわけじゃなくて、学校の教師が眠ってる才能を何故か察知して入学後に才能が開花させる。

なので女の子達はみんな戸惑うだよね、自分にこんな音楽の才能が、詩を作るセンスが、難解な数式解く思考力が、あったなんて、と。
ここまでなら感動的なヒューマンドラマなんだけど、これはホラーなんで彼女達が突如天才になったのには恐ろしい秘密と校長の歪んだ欲望があり、それによって惨劇が引き起こされる。

映画の肝はこの天才化の謎なんで、詳しくは言えないけど、この学校には人間以外のモノが存在していて、それが原因で女の子達は惨劇に犠牲になるわけなんだけど、それが露になる時の画作りがすこぶる地味なんだよ。

地味だから逆に怖いってことも勿論あるんだけど、この映画は始まってからずっと地味なんだよ。ゴシックでダーグで不穏な空気作りには抑制が必要だから、それはいいと思うし、実際機能してたと思う。

でも、全ての謎が明らかになって、人間以外のモノが姿をガンガン現して物語が静から動になる一連の流れや、演出が地味だと画的なインパクトが弱いし、何より全然盛り上がらない、、笑

画面を暗くすれば雰囲気は出るかも知れないけど、かっちり見せなければ意味のないモノまで闇に紛れさすとホラーとしての破壊力は弱まるよね。

寄宿学校で女の子達が次々ひどい目に合うって意味で"サスペリア"と同じ設定だし、アルジェントの鮮烈な色彩感覚と派手なゴアを採用してほしかったな笑
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