たむ

恐怖の報酬 オリジナル完全版のたむのレビュー・感想・評価

4.4
この映画の封印が解かれると、1977年の映画界がどんな事になっていたのか、ついにその全貌が見えてきそうです。
1977年は『スター・ウォーズ』があり、『未知との遭遇』があり、『アニー・ホール』がアカデミー賞作品賞を受賞した年で、まさにハリウッド映画の世代交代の象徴的な一年と思っていました。
その先陣を『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』で切ったはずのウィリアム・フリードキン監督は、こんな狂気の塊のような超大作を作っていたとは…。
フリードキン監督は狂人エピソードが多い方ですが、後のコッポラ監督『地獄の黙示録』ヘルツォーク監督『フィツカラルド』のジャングルの狂気がかわいく思えるほど、狂った映画です。
サスペンスの名作『恐怖の報酬』がファーストシーンから『エクソシスト』度100%、ゲリラやテロも頻発して、フリードキン監督の演出手法であるドキュメンタリータッチは驚愕の吊り橋シーンで最も炸裂してます。
本物志向もここまで来ると、映画にかける狂気を見るようで、40年たってやっとちゃんと評価出来るのでしょう。
1977年、恐るべし。
たむ

たむ