オルキリア元ちきーた

恐怖の報酬 オリジナル完全版のオルキリア元ちきーたのレビュー・感想・評価

3.9
恐怖の報酬

オリジナルは1953年のフランス映画ということだけど未見。
アメリカ版リメイクの本作の日本初公開は1977年。
しかしウィリアム・フリードキン監督
(「エクソシスト」や「フレンチ・コネクション」の監督)
に無断で約30分切り捨てて上映されたらしい。←今なら信じられない暴挙なんだけど。

今回は40年ぶりに、監督自ら監修した4Kデジタル・リマスター、オリジナル完全版の121分での上映と聞いて

誰が短縮したのか知らんが、フリードキン監督優しすぎる!ありがとう監督!
って心から感謝。

リメイクだけど伝説の超大作と言われている本作、せっかくだから観なきゃ!と頑張って電車で片道一時間半かけて上映館へ!


ジャングルに囲まれた南米ポルヴェニール。
そこは犯罪者や、食い詰めた移民の吹き溜まりの街。バラックとドブみたいなゴミだらけの泥道と病気と貧困が支配する街。

ポルヴェニールから350キロほど離れた所で石油を採掘していて、キツく危険な採掘作業の労働者として脛に傷持つ連中が素性を隠して奴隷のように働いている。

ある時、その油田で、大火災が発生。
沢山の犠牲者が出て、暴動が起こる。
石油会社の支配人は、この爆発の炎を爆薬で吹き飛ばし鎮火するよう指示を出す。

しかしいちばん近い場所にあるポルヴェニールのダイナマイトは保管状態が悪く、ニトログリセリンが浸み出し、ちょっとした衝撃で簡単に大爆発する様な状態。とてもじゃないが218マイル(350キロ)先の爆発現場まで運ぶなんて不可能に思えた。

そこで石油会社は、1万ドルという多額の「報酬」を条件に、ポルヴェニールから消火用ニトログリセリンを運搬する希望者を募る事に。

メキシコ・ベラクルスで標的を射殺した殺し屋ニーロ(フランシスコ・ラバル)。

フランス・パリで不正取引を追及され、逃亡した投資家「セラーノ」ことマンゾン(ブルーノ・クレメル)。

イスラエル・エルサレムで爆弾テロを実行し逮捕を逃れたアラブ・テロリスト、「マルティネス」ことカッセム(アミドゥ)。

アメリカ・ニュージャージーで教会を襲撃し、ビンゴ売上金を強奪し、交通事故を起こして生き残ったアイリッシュ・マフィア、「ドミンゲス」ことスキャンロン(ロイ・シャイダー)。

祖国を追われ流れ着いた4人の犯罪者は、ひとり1万ドルと新たな身分という「報酬」と引き換えに、危険なニトログリセリンの運搬を引き受ける。

2台のトラックに分乗し、自由を勝ち取るために、想像を絶するジャングルの奥へ、道なき道218マイルを進む男達の運命は!?

スクリーンから湧き出てくる暑苦しい熱帯雨林の熱気。
4人の荒くれ運転手達も命は惜しいから、妙に真面目に慎重に仕事する。
それでも根が悪党なので出し抜こうとしたり仲間割れしたり。
それでも様々な困難には協力して立ち向かうし、知恵も出して解決しようとする。
そのギャップが面白いし、ホントに油断出来ない(観てるこっちがw)

そして火薬を大量に使う本物の爆発の大迫力を味わう楽しみ!爆音上映とかだったらしばらく耳がヘンになってたかも(笑)

スリル満点とはこの映画の事を言うのね。

小さい映画館がほぼ満員。
席を予約しといて良かった!
年配の男性が多かった。まぁジャンル的にもそうか…。

狭い映画館なので、ヒヤッとするシーンで数人の観客があちこちから咄嗟に「あっ!」って声が出ちゃってたのが聴こえてドキドキしながらホッコリする、という不思議な体験をした(笑)