地獄から這い上がろうとする男たちの悪足掻き
それぞれ大きな罪を犯し、出自もバラバラながら南米の僻地に逃れてきた男たち。地獄のような劣悪な環境から抜け出す術もなく、生きる屍のように成り果てた彼らに一世一代の機会が訪れる。それは、暗黒の地から逃れるには十分な報酬１万ドルのかかった大仕事である。しかし、それは鬱蒼としたジャングル奥深くにある火に包まれた油田を消化するためのニトログリセリンをトラックで運ぶという死と隣り合わせの危険な仕事であった…
というお話。
非常にパワフルで容赦の無いドラマでした。自らの過ちにより身をやつした男たちが這いあがろうとする様は、余りにも不様であるが執念に満ち溢れている。そんな彼らを阻まんとするニトロトラックの不気味な形相は、まるで地獄の番人である鬼のようでした。これでもかと降りかかる苦難に立ち向かうシーンの連続で、緊張感ある音楽と共に胃壁を削られるような思いをしました。特に、崩落寸前のつり橋をスコールの中渡るシーンは、スタッフを殺しにかからんばかりの迫力。CGでは決してこの緊張感は描けないでしょうな。
陰鬱なラストも印象的な本作。様々な因果が重なって、長い間本来の姿で日の目を浴びる事がありませんでしたが、こうして見る事が出来たのは大変貴重な機会なのだと噛み締めているところです。
